病院の感染対策|ゾーニングとは?
新型コロナウイルス感染症の流行以降、病院の感染対策はいっそう注目されるようになりました。運用を見直すことになった病院も少なくないかと思います。
感染対策において極めて重要な考え方の一つ、ゾーニングについてお伝えします。
\ 新興感染症対応力強化事業対応でお困りの方へ /
ゾーニングとは
ゾーニングとは、空間を機能や用途で区分けすることです。特に病院の感染対策においては、清潔区域と汚染区域を分けることを示します。
一口にゾーニングといっても、その規模は大小さまざまです。
隔離対象者に対して病室や動線を分けること以外にも、病院内のいたるところにゾーニングの考え方は適用されています。
たとえば手術室の建築計画時には手術部門内のゾーニングが行われます。
手術部門は廊下であっても一般病棟よりも高い清浄度が求められます。さらに高い清浄度が求められるバイオクリーン手術室は手術部の最も奥に設定するなども、ゾーニングのひとつです。
また病棟で使用する台車1台においてもゾーニングは行われます。上段を清潔区域として滅菌物や薬を置き、下段を汚染区域として処置後の物品を置くなどの運用もゾーニングの考え方によるものです。
ゾーニングは院内感染を防ぎ、患者だけでなく医療従事者やその家族を守るために非常に重要な概念です。
イエローゾーンとは?赤・黄・緑のゾーニングの考え方
新型コロナウイルスにおけるゾーニングでは、次のような色分けの考え方があります。
隔離対象者数が増えるとレッドゾーンを拡げることがあります。
ただし医療従事者の曝露機会や清掃消毒の負担を減らすためには、可能な範囲でレッドゾーンを狭く設定することが望ましいです。
清潔区域と汚染区域を分離するために
ゾーニング後に重要なことは、人やモノがゾーンを移動する時の運用ルール設定です。
陽性者と他の患者さんの動線が交差しないような設定や、回収器材の適切なルート確保、前室をうまく活用するなど、病院内で定めたルールを徹底することが重要となります。
また、レッドゾーンでは空気中にもウイルスが存在しているものとして扱います。PPEの着脱によってウイルスを持ち込まなかったとしても、レッドゾーンの空気がイエローゾーンやグリーンゾーンへ流れてきてしまうとウイルスが侵入するおそれがあります。
そこで有効なのが、気圧差による空気の流れを利用した感染対策です。
部屋の気圧が廊下よりも低い状態をつくること(=陰圧化)によって、ウイルスをレッドゾーン外へ放出しないようにします。
これから病院をつくるのであれば理想的なゾーニングと動線の計画を立てられますが、現実的には現在の病院の中でできる工夫をしていく必要があります。
例えば簡易陰圧装置は、陰圧病室でない部屋でも短工期・低コストで室内を陰圧化することができます。
病棟・病室のリフォームや陰圧装置などまるごとおまかせ!
2024年4月より、新興感染症対応力強化事業が創設されました。
新興感染症が発生した際に速やかに対応できるよう、都道府県と医療措置協定を締結する医療機関に対して、感染対策を目的とした施設・設備整備を補助する制度です。
▼事業の詳細はこちら
厚生労働省によると、148億円の予算がついており、具体的には以下の内容が補助対象となっています。
本記事で紹介したゾーニングを実践する際に発生する改修費用や、簡易陰圧装置の設置も補助対象になることも。なお、都道府県によって補助条件や申請期日が異なりますので、詳細は都道府県のホームページを参照ください。
セントラルユニでは簡易陰圧装置をはじめとした感染症対策製品を取り扱っており、ゾーニングのお手伝いもしております。
新興感染症対応力強化事業の対象医療機関の方で「どのように進めていいのか分からない」という方は、ぜひ当社までご相談ください。