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医療ガス 炭酸ガスの用途は?

炭酸ガスと聞いてまず思いうかぶのは炭酸飲料ではありませんか?
子供のころ親に「炭酸飲料を飲むと歯が溶ける」と言われたひとも少なくないと思います。

身近なところではアイスの保冷剤のドライアイスも炭酸ガスです。
これは-79℃で個体化したもので、水に入れるとブクブクと白い煙が出てきて面白いですよね。

そんな炭酸ガス(CO₂)は、実は昔から医療現場で使われています。
実は近年の内視鏡手術の広がり・定着に合わせて、医療現場での使用量も急激に増加しています。


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医療ガスにおける炭酸ガスの用途

炭酸ガスは手術や検査などで使用されています。

【主な用途】
▼腹腔鏡手術

腹腔鏡手術において腹腔を膨らませるために使用されます。これを気腹といいます。通常腹腔内は虚脱状態のため、術野観察や手術操作のためのスペースを確保します。最近普及しているロボット支援下手術においても同様に炭酸ガスが使われています。

内視鏡検査
胃カメラや大腸カメラでは、視野確保を目的として炭酸ガスを腸管内に注入します。

CT検査
CTスキャンにおいて腸管を拡張するためにも使用されます。

心臓手術
心臓周囲に炭酸ガスを吹き流すことで、手術中に心臓内に入った気体が速やかに溶けるようにし、空気塞栓のリスクを低減します


炭酸ガスは体内で吸収されやすい

なぜ医療に炭酸ガスが使われるのでしょうか?

炭酸ガスは無色無臭、不燃性、水に溶けやすい。といった特性があります。
特に腹腔鏡手術では電気メスを使用するため、「燃えない」という性質は重要です。

また、水に溶けやすい性質から血液への溶解性が高く、もし血管内に入ってしまったとしても溶けてなくなるため塞栓のリスクが低くなります。
炭酸ガスは呼吸機能により肺で酸素と交換され排出されます。

炭酸ガスの特性が体への負担も少なく、火災リスクが少ないことから多く使われるようになりました。


炭酸ガスボンベ取扱いの注意点

炭酸ガスの使用用途が増え中央配管で炭酸ガスを供給する病院が増えていますが、炭酸ガスの使用量や病院規模によってはボンベを使用することもあります。

以前医療ガスの識別色についてご紹介しましたが、炭酸ガスボンベは医療設備のアウトレットと色分けが異なります。


▼識別色についてはこちら

ボンベを使用される場合は運用ルールをご確認の上、接続間違えがないよう注意していただければと思います。


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