医療ガスの識別色とは?アウトレットとガスボンベの色の違いに要注意!
4月から医療従事者として働き始めた新人のみなさまへ。ご入職おめでとうございます。
これから現場で活躍されるみなさまに知って頂きたい、医療ガスの識別ポイントをお伝えします。
なぜなら、医療現場における医療ガスの安全使用は、患者様だけでなく医療従事者の安全にも直結するからです。
特に新人看護師やその他の新入職員にとって、医療ガスの種類とそれに対応するアウトレットやボンベの色を正しく識別できるのは、重要なスキルといえます。
誤接続を防ぐため、医療ガスは種類ごとに色分けされている
医療ガスは、ガスの種類ごとに色分けされています。
▼種類や用途についてはこちらの記事で紹介しております
医療用ガスボンベと医療ガス設備では、規格が異なり識別色が違う
医療用ガスボンベと医療ガス設備では、規格が異なります。医療用ガスボンベの色は高圧ガス保安法によって決められていますが、医療ガス設備のガス別色はJIS規格によって定められています。
そのため、医療用ガスボンベと医療ガス設備のアウトレットや配管の色が一致しないことに注意してください。
接続する医療ガスを間違えると、とんでもないことに!
誤ったガスを接続すると重大な事故につながります。特に酸素と炭酸ガスを間違えないように注意しましょう。
医療用ガスボンベの取り違え事故の多くは、酸素と炭酸ガスを間違えて接続したことで起こっています。過去に厚生労働省から通知が発出されたことがあるくらい、医療現場において多発している事故なのです。
緑色のボンベは酸素ではなく炭酸ガスです。接続する前に識別色を確認し、正しいガスを使用しましょう。
医療用ガスボンベの接続口にも種類がある
医療用ガスボンベにはさまざまな接続口があり、袋ナットを締め込んで接続するものと、金具で挟み込んで接続するヨーク式があります。
袋ナットで接続するタイプの医療用ガスボンベは医療ガスの種類ごとに接続形状が異なるため、他の医療ガスに接続できないようになっています。
しかし、工業用ガスボンベは接続ねじサイズが同一のため、酸素や炭酸ガスなどガスの種類に関係なく接続できてしまいます。
病院内では、機械駆動用に工業用のガスボンベが採用されることがあり、
工業用の炭酸ガスボンベは医療ガス設備の酸素の識別色と同じ緑色です。
そのため、酸素と炭酸ガスを誤接続し、事故につながった事例があります。
ヨーク式は医療ガスの種類ごとに接続形状が異なり、他の医療ガスに使用する調整器などは接続できない作りとなっています。
ボンベの色や表記されている文字で勘違いして接続してしまわないようご注意ください。
事故を減らすにはひとりひとりの意識が大切
医療ガスの識別色の違いを理解することで、医療ガスの取り違えによる事故を防ぎ、安全な医療環境の維持に貢献できます。新人のみなさまがこの情報を身につけ、日々の業務に活かしていただけることを願っています。