海外における、コロナ患者の集中治療環境づくり
2020年から全世界で猛威をふるった新型コロナウイルス感染症。
特に途上国では、医療リソース不足が深刻な問題となっていました。
そんな状況をどうにかしたいと、JICAが立ち上げたプロジェクトに当社も参画し、海外での新型コロナウイルス感染症患者(以下、コロナ患者)の治療環境改善に取り組んでいます。
途上国に対して、日本の医療知見や治療環境を提供するプロジェクト
当社が参画しているのはJICAの「新型コロナウイルス感染症流行下における遠隔技術を活用した集中治療能力強化プロジェクト」です。
新型コロナウイルス感染症は咳などの呼吸器症状が中心で、重症化すると集中治療管理を行います。集中治療には、専門スタッフに加えて、大流量の酸素を供給できる設備が必要になります。
このプロジェクトでは、重篤なコロナ患者に必要な集中治療環境を整えるため、途上国の対象病院に対して、日本の専門スタッフによる研修・技術的アドバイスの実施、不足している医療設備・資機材の提供と整備を臨時的に行っています。
当社は主に「集中治療に必要な医療設備・資機材の整備」を担い、トンガとインドネシアに支援を行いました。
▼集中治療に必要な環境についてはこちら
コンセプトは“現地での設置に時間をかけない”こと
コロナウイルス渦での短期間・迅速な対応を実現するため、現地での設置に時間をかけず整備を行えないか、検討を重ねていきました。
そこで考えられたのが「コンテナICU」です。
その名の通り、コンテナでICU(集中治療)の環境を再現するというものです。
必要な医療設備や資機材はすべて日本で調達し、取り付けまで行ったものを、海外の対象国にコンテナとして移送することで、現地での設置負荷を少なくしました。
トンガではコンテナICUが採用されましたが、インドネシアでは現地で建築部材の調達が可能であることから、組み立てのみを現場で行う「プレハブICU」が採用されました。
【コンテナICU納入事例】トンガ バイオラ病院
トンガでは、内科と外科を備える主要病院のひとつである「バイオラ病院」にコンテナICUを設置しました。
コロナ渦での経験を基に、大流量の酸素供給体制を実現するため、日本で実例のない酸素濃縮器および酸素充てん装置を主とした提案を行い、導入しました。
コンテナは20フィートが14本、40フィートが1本で構成されています。
内部にはコロナ患者に必要な酸素治療が行える空間が再現され、スタッフが作業を行うスタッフステーションなども設けられています。
【プレハブICU納入事例】インドネシア 南スラウェシ州ハサヌディン大学病院
インドネシアでは、インドネシア東部地域の中核病院であり、地域における医療従事者の教育機関としての役割も担う「南スラウェシ州ハサヌディン大学病院」にプレハブICUを設置しました。
内部にはICUが5床用意され、感染症対策の吸引器など、コロナ患者の治療を行うための環境が整っています。
インドネシアには、当社の社員が駐在中!
実は、インドネシアには当社のパートナー企業があり、当社社員が日本人駐在員として常駐しています。
プレハブICUの計画は、彼が中心になり、現地と日本とのやり取りをしながら円滑に進めてくれました。
ここで、本人から聞いたこだわりポイントやお客様の声をご紹介します。
こだわったのは、コロナ患者と医療従事者にとっての感染症対策環境づくり
感染症対策製品は予算の関係上、当初は不採用だったそうです。根気強く協議を続け、最終的に納入いただくことができました。
施工中の苦労は、現地での調整と日本が求める施工レベルの実現
現地の方々に日本側が求める施工レベルの経験・イメージがなく、一緒に考え、悩みながら施工を進めていったとのことです。
「また一緒に仕事をしたい」という嬉しい声をもらえた
池内さんの思いや苦労が実を結び、お客様に喜んでいただくことができました。
状況に合わせた治療環境づくりを提案します
少し特殊ですが、海外におけるコロナ患者の治療環境づくりの事例をご紹介しました。
当社では、日本だけではなく、海外も含めて状況に合わせた最適な治療環境を提案しています。
「職場の医療環境について、使いづらさや老朽化の課題を感じている」
「手術室の感染対策をもっと強化したいが、具体的にどうしていいか分からない」
そんな悩みがある場合は、ぜひ当社にご相談ください!
最後までお読みいただきありがとうございました。