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病院にあるシャットオフバルブってなに?
コレ何だか知っていますか?
ナースステーションや廊下、手術室廊下の壁に設置してあるコレ、何だか知っていますか?
![](https://assets.st-note.com/img/1697170179964-TVOUShWVyt.png?width=1200)
病院の各階、各病棟など診療エリアごとに医療ガスの供給を止めることができる区域遮断弁です。製品名称を「シャットオフバルブ」と言います。
エリアごとに医療ガスの供給を遮断できます。
メンテナンス時または、災害などの非常時にガスを区域ごとに遮断するために設置するバルブです。化粧枠にはバルブが制御する区域を表示します。プレートを開け、赤いレバーを手前に引けばその区域へのガスの供給が停止されます。
弊社製品の場合、停止の状態ではフタが閉まらないようになっており、停止状態であることが目視で確認できます。
![](https://assets.st-note.com/img/1697172712578-WrXWuOAJnE.jpg?width=1200)
遮断するタイミングは主に3つ
①設備メンテナンスのとき
経年劣化により機器のパッキン交換などを行う際にはガスの供給を止める必要があります。
②病室追加など改修工事のとき
運用の見直しや診療報酬改定に伴い病室を増やすなどする際には医療ガスの配管を延長させたり、分岐するといった配管の切替工事も必要になるため工事エリアごとにガスの供給を遮断します。
③災害などで配管が破損したとき
幸いにも、大きな災害でも配管が破損するといった事故はなく災害によって区域遮断弁を使用したことはありません。
▼切替工事についてはこちらの記事で紹介しています。
棚や荷物で塞いではいざと言うときに困ります。
スタッフステーション内に設置されている場合、ファイルや備品収納のためのラックがシャットオフバルブの前に置かれてしまい、いざと言うときすぐに操作ができない状態になっていることがあります。
普段操作をすることがないシャットオフバルブですが、用途をご理解いただきいざと言うときに備えておくことが大切です。
設計段階での配置検討が重要!
収納ラックなどで塞がれているということは、設計段階で実際の運用について充分にヒアリングや検討が出来ていなかったことが原因かもしれません。
シャットオフバルブや医療ガスアウトレットなど壁面につく設備は簡単には移設できません。
病院の運用が始まって使ってみたら「思っていたのと違った。使いにくい。」などのギャップが少なくなるように設計のタイミングでの検討が重要です。
▼病院づくりの流れについて気になる方はこちら
開閉手順は各病院によって異なります。
メンテナンスや改修工事によるシャットオフバルブの開閉については、作業手順書を提出するなど病院担当者と事前に内容確認をしています。
作業前にはお互いに事故のないよう声掛けを意識しましょう。
災害時の対応については、病院内の医療ガス設備を安全に管理するために設置されている医療ガス安全管理委員会で定めている手順に従ってください。
災害が起きたとしても、いきなりシャットオフバルブを閉めては危険です。いきなり遮断してしまっては生命維持のため医療ガスを必要としている患者さんの命にかかわります。
火災においては支燃性ガスである酸素は供給を止めたいところですが、適宜状況判断をして対応していくことが必要となります。
この記事が災害時の手順について再確認するキッカケになれば幸いです。