見出し画像

紙のマニュアルの電子化がもたらす、手術部門のチーム力向上

昔は助からなかった”いのち”が助かる。

医療技術は日進月歩しています。私たちが携わっている手術室も医療の最前線と言っても過言ではありません。手術室では進化する医療技術を常にアップデートしている医療従事者の皆さんがいらっしゃいます。そんな手術部門の皆さんにとって、医療技術のアップデートに役立つアプリが出来ました。


手術は「より多く」「常に進化」している

厚生労働省の医療施設調査や社会医療診療行為別統計によると、21世紀に入ってから、日本国内の病院の数は様々な理由で約15%ほど減り、その一方で、手術の総数は約1.5倍に増えています。

1病院あたりに換算すると、1.8倍の手術件数を行っていることになり、多くの病院が、以前より多くの手術を行っているのです。

つまり、医療従事者の皆さんは新しい治療法や治療を行う医療機器、医療設備に関する知識や技術を、「より多く」習得する必要があるとともに、それを「常に」アップデートし続けることが求められているのです。

手術の進化に伴い、手順の管理が煩雑に

私たちは設備を中心に、多くの手術室環境を提供しています。
納めた手術室の最大限のパフォーマンスを発揮してもらうべく、納めた後のサポートに力をいれているのですが、その際に現場の困りごとに気づきました。

こちらの記事で紹介したように、一つの手術室で様々な術式に対応することが主流になり、たくさんの手術を行っています。

したがって、術式ごとの手順があり、その手順をまとめた資料が存在することになります。しかも、手術室の設備は同じ病院でも部屋によって異なることが多く、さらに派生形が出てくるのです。
とある病院ではその資料の数はなんと約170種類(!)にものぼったそうです。

手術の手順をまとめた資料

ここでは資料群を「マニュアル」と呼ぶことにします。このマニュアルを「さがすこと、理解すること、共有すること」がとても大変なのです。

紙のマニュアルを魔法にかける

冒頭にも記したように、私たちはこの課題を解決するためにアプリをつくりました。それは紙で運用されている手術室の手順書をマニュアルを電子化する手術準備支援アプリです。少し大げさですが、紙のマニュアルを電子化するだけで魔法をかけたようになるのです。

電子化という魔法

「いつでも」「どこでも」

それは、まるでポケットの中に広がる無限の図書館のようです。
重たい紙のマニュアルを持ち歩く必要はありません。スマートフォンやタブレット、パソコンさえあれば、手術の準備に必要な知識が常にそばにあります。

「見つけやすい」

検索機能によって、キーワードを入力するだけで目的の情報を探すことができます。紙のマニュアルでは膨大なファイルから該当する手順書を検索するのに時間がかかっていましたが、効率的に作業を進めることができます。

紙ではできないことができる

紙では難しい動画やリンク、共有メモなどの要素を組み込むことができます。より深く、より直感的に情報を理解しやすくなります。

更新の簡便さ

紙のマニュアルでは古くなった情報ごとに、新しい版を印刷する必要がありましたが、その手間も省けます。
最新の情報が瞬時に反映され、常に最新の状態を保つことで、常に正確で信頼性の高い情報を手に入れることができます。

新たにもたらされる手術部門のチーム力向上

アプリ開発の過程で聞いた現場の声によると、実はマニュアル編集・制作に手間がかかりすぎるために、できていないコトがまだまだあるようなのです。

編集工程の単純比較

マニュアル編集・制作がどれほど大変なのかを知るために、マニュアル制作工程を単純化してみました。すると、写真を撮影し、編集するだけでも半分以下になるのです。

さらに、更新確認などの承認作業などを含めるとかなりの時間がかかっていたことが想像できます。
手間がかかりすぎるゆえに、必要な情報更新だけではなく、あらたなマニュアル作成に割く時間がとれなかったことが分かりました。

これらの負担をアプリによって軽減することで、新しいマニュアル制作が進み、手術部門のチームナレッジが増え、チーム力の強化に貢献したいと考えています。

まとめ

電子化されたマニュアルなら、誰が見ても同じ情報を得ることができます。チーム全体での理解が統一され、より安全に効率的な作業が可能になります。

紙のマニュアルを電子化するという魔法が、これからも進化を続ける手術室環境をより良くしていくと、私たちは考えています。

ご興味のある方はこちらからカタログをダウンロードできます。


この記事が参加している募集

最後まで読んでいただきありがとうございます! 第1・3火曜日に更新しています。 よかったらまた見にきてくださいね。