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「医療ガス」ってなに?種類や用途を解説!

患者さまのいのちに直結する「医療ガス」。一般の方にはあまり耳馴染みのない言葉かもしれません。ですが、医療の現場においては、患者さまの治療に欠かすことのできない存在です。
病院のライフラインともいえる、医療ガスの種類や用途について、解説します。


医療ガスとは?

酸素や空気、二酸化炭素など、患者さまの治療に必要なガスを総称して「医療ガス」といいます。
医療法や薬事法をはじめ、日本産業規格(JIS)や国際規格(ISO)に至るまで、さまざまな法令・法規で種類や用途が規定されています。
セントラルユニでは、その特性から「ライフサポートエネルギーガス」と呼んでいます。

安全に間違いなく供給できるよう、医療ガスの種類ごとに色が決められている

医療ガスを含め、ガスという気体は基本的に目視することができません。
見えていないから患者さまの治療に使うガスが間違って供給される、なんてことは絶対にあってはいけません。そこで、安全に間違いなく用途に合わせたガスを供給できるよう、JIS規格で色が定められています。

気体に色はつけられないので、ガスを供給する配管やガスを取り出す出口に色をつけて区別をしています。

配管の色
医療ガスの取り出し口(アウトレット)

▼医療ガス供給設備を安全に使用するための取り組み

医療ガスの種類と用途

代表的な医療ガスの種類と用途を簡単に紹介します。
()はJISで決められた識別色です。

参考) JIS T 7101

酸素(緑)

酸素は、人体の生命維持に最も重要な気体とされています。呼吸機能障害がある場合に酸素療法として使われるほか、治療用空気と混合し人工呼吸管理や麻酔管理にも使われます。

亜酸化窒素(青)

「笑気」とも呼ばれる、歴史ある吸入麻酔薬のひとつです。手術で患者さまに麻酔をかけるときに使用します。

治療用空気(黄)

酸素を投与する際の酸素濃度を調整する目的で、酸素と混合して使われます。そのため酸素と同様に、人工呼吸管理や麻酔管理に使われることが多いです。

吸引(黒)

吸引は他のガスと異なり、異物(気体や液体)を吸い込むために使用します。吸引器とよばれる器械を接続し、手術中の出血や洗浄液を吸い込むほか、喀痰吸引に使用します。

二酸化炭素(橙)

内視鏡外科手術などにおいて、体腔内の視野を確保する目的で使われます。

駆動用窒素(灰)

手術中に使用する機器の動力として使われます。

医療ガスはどんなふうに供給されている?

一般的に「医療ガス供給設備」によって病院内に供給されています。

医療ガスは、種類によって製造方法が異なります。
酸素や二酸化炭素などは、一般的には製造工場でつくられ、ガスボンベに充てんされた状態で病院に運ばれます。それをマニフォールドといわれる供給装置につないで病院内に供給します。

酸素ボンベとマニフォールド

一方で、治療用空気や吸引は、空気供給装置や吸引装置とよばれる専用の装置によって気体の製造~供給までを担っています。

空気供給装置(手前) 吸引装置(奥)

医療ガスは供給元のボンベや装置から院内に張り巡らされた配管を通って、病院内の必要な場所に設置された出口から取り出せるようになっています。

ご家庭の「水道」をイメージしていただくと分かりやすいかと思います。
水道も、壁の中に埋め込まれた配管を通って、出口となる蛇口から水がでるようになっていますよね。医療ガスも、そんなイメージで使えるようになっています。

ただ、病院の規模や使う医療ガスの種類によってはこの限りではありませんので、参考としてお考えください。

▼医療ガス供給設備の詳細は、こちらの記事を参考ください!

いのちをつなぐ「医療ガス」を、これからも安全に供給できるように

私たちの事業に深く関連する、医療ガスの種類や用途を紹介しました。
いかがでしたでしょうか?少しでも医療ガスについて知るきっかけになっていれば幸いです。
いのちをつなぐ医療ガスを確実に供給するために、私たちはこれからも安全かつ安心な製品づくりをしてまいります。 


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