医療ガスとは?“見えない”ガスを、“見える”ガスにする、セントラルユニの取り組み
「見えないガスを、見えるガスに。」
セントラルユニが医療ガス設備をつくり始めて半世紀、このキーワードをモットーに製品開発を続け、今では全国5,000以上の病院に納入しています。
医療ガスとは何か?
医療ガス供給システムとは何か?
セントラルユニのコア事業である医療ガス設備と、製品を通してセントラルユニがどんなことに貢献しているのか、ご紹介します。
医療ガスとは?
患者さんの治療や診断・予防をはじめ、手術機器の駆動用として使われるガスのことをいいます。
病院の手術室や病室など治療環境で使用される医療ガスには、酸素・笑気・空気・吸引といった種類があり、患者さんの生命維持に直接影響をおよぼすことから、私たちはライフサポートエネルギーガスともよんでいます。
医療ガス供給システムとは?
いのちにかかわるものなので、医療ガスの供給には、常に清潔な状態で安定した圧力と流量が必要とされます。
治療用酸素や笑気、炭酸ガスなどが充填される高圧ガスボンベ、治療用空気を送り出すコンプレッサ、吸引のための真空ポンプなど、各供給設備を一カ所にまとめ、配管を通して病院内の各部署の壁面や天井から医療ガスを使用できるようにしています。
これらの設備を総称して「医療ガス供給システム」と呼んでいます。
普段目にすることはありませんが、概略図のように医療ガスを供給するための配管が供給元の機械室から供給先の手術室、ICU、病室といった治療環境まで病院内全体に通っています。
医療ガス供給システムが普及する前は、重たいガスボンベを手術室や病室まで持ち運び、供給圧力を設定し使用していたため、医療従事者の大きな負担となっていました。
このガスボンベに充填される治療用酸素や笑気、炭酸ガスなどを病院内へ届ける装置を「ガス供給装置」と呼びます。
ガス供給装置はいつも病院にいる医療従事者であっても、なかなか立ち入らない病院敷地内の端の方、地下室などで稼働しています。
供給先の手術室、ICU、病室には「アウトレット」と呼ばれる医療ガスの出口が設置されています。
医療ガスはこのアウトレットに医療機器を接続してはじめて治療に使用されます。
医療従事者の方々はもちろん、入院やお見舞いで病室に入ったことがある方は見たことがあると思います。
医療ドラマのICUや病室シーンで映ることもあるので、セントラルユニのことを思い出したらチェックしてみてください!
見えないガスを、見えるガスに
私たちはこの言葉をモットーに医療ガス供給システムをつくっています。
現在では医療ガス配管設備の接続間違いによる事故はありませんが、
約40年ほど前、ある病院の手術中に、麻酔ガスと酸素を取り違えて患者さんが死亡するという事故が起こりました。
他社の製品を使って起こった事故ではありましたが、自社でも起こりうることだと受け止め、「不幸な事故を2度と起こしてはならない」と悩み抜き開発したのが、色で識別するカラーパイピングです。
「物干し竿」から銅管を色別に被覆するアイデアを着想し、このカラーパイピングを採用してから、事故は圧倒的に減りました。
ここからセントラルユニの「見えないガスを、見えるガスに」のモットーがはじまりました。
カラーパイピングはJISの規格にも採用され、医療ガス設備を製造・施工する上での標準となっています。
また、手術室、ICU、病室といった各エリアに監視システムを設けることでガスの供給状態を見えるようにしています。
そうすることで、自然災害など不測の事態で配管の破損など、ガスの供給に影響が出たとしても、利用可能エリアを絞り込むなど治療環境の安全が確保できます。
見えないガスを、見えるガスに。
実際には気体であるガスを直接見ることはできませんが、配管を識別したり、圧力や流れを測定することで、間接的に見えるようにしています。
そうすることで安心して使える医療ガスになると、セントラルユニは考えています。
病院にとっての医療ガス設備とは
病院にとっての医療ガス設備とは、私たちの吸っている空気と一緒です。
私たちは呼吸をする際に「ここには空気がある」とか、「あっちには空気がないから行くのはやめよう」などとは考えません。
医療ガス設備もそうです。
医療ガス設備はどんな時でも使えることがあたり前なのです。
この病室のガスは出ないかもしれないから、患者さんは向こうの部屋に移動してもらおう。といった不安や不具合はあってはなりません。
セントラルユニは「見えないガスを見えるガスに」をモットーに、
医療従事者や患者さんが安心できる病院づくりに貢献しています。