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医療ドラマで見かけるのは本当?手術に関わる人の役割を紹介!

手術といわれて、どんなイメージをしますか?もしかしたら、医療ドラマや漫画のワンシーンを想起する人も多いかもしれませんね。

わたしたちが環境づくりを行う手術室では、患者さんを治療するために、さまざまな医療のスペシャリストたちが集います。では、そのスペシャリストたちは、どんなふうに手術に関わっているのでしょうか?


手術の流れはどうなっている?

まずは患者さんが手術を受ける場合の流れについてみていきましょう。
手術は病気を治す手段のひとつです。病気によっては投薬や放射線治療などと併用します。手術が必要だと医師が判断した場合に以下のような流れで進みます。

手術を受ける患者さんの流れ

1. 外来を受診
2. 手術が必要と医師から診断を受ける
3. 手術準備のため病棟に入院
4. 手術を実施
5. 術後、重症度に合わせてICUもしくは病棟にて療養
6. 回復後、退院
7. 外来を受診しながら経過観察

※診療科や病状によって流れは異なります。

そしてこちらが、ひとつの手術に対して関わるスタッフの一例です。

手術の前から終わった後まで、一人の患者さんに対してたくさんのスタッフが関わっていることが分かりますね。
ここからは、手術中に活躍するスペシャリストたちを紹介していきます。

関わる医師は、執刀医だけではない。チームで手術を行う”医師”

手術室というと、1番にイメージするのはやはり執刀する医師ではないでしょうか。ひとつの手術に関わる医師は複数人おり、それぞれに役割があります。

外科医

その手術を実施する担当科の医師のことをいいます。
外科医の中でも、メインで手術を行う執刀医と、執刀医のサポートを行う助手がいます。執刀医の前に立ってサポートするのが第一助手で、執刀医へ指導する役割を担うこともあります。
第二助手・第三助手は、その他のサポートを担います。一般的に、1件の手術は外科医2~3人で行うことが多いですが、複数の診療科が合同で行う手術では10名ほどの医師が関わることもあります。

Tips!① 複数科合同手術とは
例えば、口腔外科と耳鼻科など、領域が近い診療科は合同で手術を行うことがあります。

麻酔科医

手術中、患者さんの命綱を握っているのが麻酔科医です。外科医が体の悪い部分を治す作業に集中している間、患者さんに麻酔をかけて血圧や呼吸を管理します。

手術のサポートからコントロールまでこなす”手術室看護師”

看護師というと、一般的には医師の診断に基づいた医療処置を提供し、患者さんの入院中の療養生活をサポートするというイメージをお持ちの方が多いかもしれません。

手術室看護師の役割は、そうしたイメージとは少し異なります。
手術を安全かつ円滑に進めることができるよう、手術室の環境整備から手術中のサポート、患者さんの入退室管理まで、様々な役割を担うのです。

器械出し看護師

手術室看護師は、基本的に二人一組のペアになって業務に就きます。
そのひとつが「器械出し看護師」で、外科医の手術介助を主に行います。

医療ドラマや漫画のワンシーンに、執刀医の先生が「メス」と言って手を差し出す場面があるかと思います。そのときに対応しているのが器械出し看護師です。

手術室では感染管理を徹底して行っており、患者さんの体を滅菌した布で覆って無菌状態として扱います。これは”清潔野”とよばれ、手洗いを行い、マスク・ガウンなどの感染防具を着用したスタッフしかそこに立つことができません。

器械出し看護師は清潔野に立ち、手術の進行に合わせて外科医に必要な器械を受け渡すほか、事前準備として手術に使用する滅菌器械・器材の管理を行います。さらに、患者さんの体内に手術器械やガーゼが遺残することが無いよう、手術中に使用した医療機器や材料の点検も行います。

外回り看護師

ペアのもう一人は「外回り看護師」とよばれる、手術室のコーディネータです。安全に手術を行えるよう、手術ごとに必要な環境整備を行ったり、患者さんを手術がしやすい姿勢に固定したり、麻酔科医の介助を行ったりと、その役割は多岐にわたります。

ちなみに、これまた医療ドラマや漫画でよく見かける、執刀医の先生が汗を拭くように指示を出すシーン。感染管理上、清潔野にいる医療者は手を清潔に保たないといけないため、汗を拭くのは外回り看護師の役目です。

Tips!② 手術室看護師の呼び方
医療現場では、器械出し看護師のことを『直接介助』『手洗い』、
外回り看護師のことを『間接介助』と呼ぶことがあるそうです。

手術室リーダー看護師

その日に行われるすべての手術の進行管理を行う、手術部門のまとめ役です。患者さんの入退室の調整をはじめ、手術部門のスタッフ配置、病棟とのやりとり、トラブル対応などを担います。手術部門全体のことを分かっていないといけないことから、手術室勤務経験が3~5年以上の看護師が担当します。

Tips! ③ リーダーは役割!
手術室リーダー看護師の「リーダー」はあくまで役割であって、役職ではありません。

医療機器の専門家!手術室でも活躍する”臨床工学技士”

手術に使用する医療機器の操作、管理を行います。
手術に必要な医療機器の準備をはじめ、手術中に機器が安全に使用されているか、異常がないかをチェックします。

臨床工学技士は病院内すべての医療機器の管理を担っているため、医師や看護師と異なり、手術中ずっと立ち会うわけではありません。
心臓血管外科の手術で人工心肺装置を使用する場合や、手術支援ロボットを使用する場合など、手術中に高度の機器操作や管理が求められる場合に常駐します。

手術室では、さまざまなスペシャリストが関わり、患者さんの安全に配慮した手術が行われている

ひとつの手術に対して、非常にたくさんのスタッフが関わり、それぞれがスペシャリストとして活躍していることが分かりましたね。
医療現場では、患者さんに安全に医療を提供することを第一に考え、関わるスタッフがその役割を全うしています。

手術室をはじめ、病院の環境づくりを担うわたしたちは、医療スタッフがその役割に集中できるよう、環境面からサポートをしていきます。
この記事が医療や手術について興味をもつきっかけになれば幸いです。


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