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みんなで病院をつくる場所、mashup studioって?

病院の改築に際して、ある先生がこんなことを仰っていました。
「現場のことを一番知っているのは看護師だと思うから、看護師が思い描く病院をつくりたい。」
ご自身に広い知見がありながらも、謙虚でスタッフ思いな先生のこの言葉を聞いたとき、私たちは必ずこの要望を形にしたいと胸を熱くしたのでした。

病院はだれがつくる?

病院づくりを考える時、病院経営の視点は欠かせません。
患者さんをしっかり看ることができ、かつ無駄がない病床数や手術室数などの設定。
地域に求められる診療科や力を入れるべき設備を見極め、投資すること。
充分なスタッフの確保や、効率的な運用方法の模索…。
情報を集め、病院全体を見ながら決定を下していく病院経営者は、まさに「つくり手」に他なりません。
 
しかし、患者さんと現場で日々接しているスタッフだからこそ気づくことのできるポイントもあります。
 
「患者さんに一日の時間の流れを感じてほしい」といって閉鎖的な集中治療室に窓を設置した例は、一日中患者さんと同じ空間にいるスタッフならではのアイデアです。
霊安室に続く廊下が薄暗く、「こんな道を通るのはかわいそうだ」と嘆く遺族の姿を目にとめたスタッフの声により廊下を改装した病院は、あきらかに「よりよい病院」に近づいていると思えます。

私たちセントラルユニではこのように、病院に関わる様々な人の視点が加わり、つくり手が増えることによって、魂の込もった個性のある病院ができると信じています。

いい病院を生み出すための秘密基地、mashup studio

当然のことながら、人が増えれば意見をまとめるのも大変になります。
普段現場にいるスタッフも、急に意見を聞かれたらすぐには思いつかないかもしれません。
さらに、関わるみんなが病院理念を理解していることや、目指す姿を共有していることも大切です。

 セントラルユニのショールーム“mashup studio”は、こうした課題を乗り越えて、様々なアイデアをマッシュアップ:混ぜ合わせることを狙った場所です。

現状を可視化し、新たな気づきを得る「サイバーシミュレーション」

建築の計画は、図面をもとに進められていきます。図面を見慣れていない人にとっては、新しい自分の職場が一体どんなものになるのか想像できない、ということにもなりかねません。
そこで、私たちが独自に開発した3Dツール「CARIV」によるシミュレーションの出番です。

「フロアにいる患者さんの様子が観察しやすいようになっているかな?」
「手術室にすべての器材が入ったらどのように見えるだろう?」
原寸大の3Dで体感することで、図面では気づくことのできなかった「このままではまずい!」を発見したり、「思っていたイメージと違う……」を回避したりできるかもしれません。
 
実際に、お客様全員が同じシミュレーション画面を見ながら意見を出し合い、みるみるうちに納得のいく空間がつくり上げられていく様子には感動を覚えます。

実機とリアルな空間でイメージを深める「リアルシミュレーション」

さらに運用イメージを深めるために、リアルな手術室空間や治療空間でのシミュレーションを行うこともできます。
最新の手術室ではどんなことが出来るようになっているのかを体感したり、現病院の空間と照らし合わせたりすることで、理想の治療空間を思い描いていただきたいと考えています。

先進事例から刺激を得る「Case Archives」

これまでセントラルユニがお手伝いをしてきた病院では、こうして生まれた工夫が詰まっています。
日々の業務が忙しく、なかなか他院へ見学に行く時間を確保できない方も、200件以上の事例を集めた「Case Archives」をご覧いただくことができます。
「そんなこともやっていいんだ!」
「ここはぜひ真似してみたいな」
そんな新しい気付きに繋がれば幸いです。

おわりに

セントラルユニでは、このようなツールを利用して多くのお客様に喜びと感謝の声をいただいています。
しかし本当に価値があるのは、場所でもツールでもなく、そこで新しく生まれたもの、マッシュアップされたものだと感じています。
これからも多くのお客様と一緒に、素晴らしいマッシュアップをしていきたいと思っています。
 
実は、mashup studioには他にもさまざまな狙いがあるのですが……、それはまた別の機会にご紹介できればと思います。
今後の記事もどうぞお楽しみに!


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