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理想の治療環境を可能な限り想像する

わたしたちは、手術室やICUなどの治療空間の新設・増設や改修などの計画において医療従事者の方々と一緒に理想の治療環境を考えています。
今回はお客様と一緒に可能な限り想像して理想の治療空間を考えるセントラルユニオリジナル3Dシミュレータツール「CARIV」を紹介します。

こんなはずじゃなかった

みなさんは「図面」というものを見たことはありますか?
住まいを建てたり、探したりことがある方は間取りとして見たことがあると思います。

図面を確認しながら、「何の手術のためにどこに何を備えておくか」「何の看護をするためにどこに何が必要か」といったことなどを、お客様と打ち合わせをします。
そして、議事録をとり計画に関わる多くの方の了解手続きをふまえて要件を確定させて、施工から竣工、やがて新しい治療環境が出来上がります。

かつて、出来上がったあとに「イメージと違うな、こんなはずじゃなかった」というお客様の声をいただいたことがありました。あれだけ確認してすすめたのにもかかわらず、「こんなはずじゃなかった」と言わせてしまったのはなぜなのか?

わたしたちは、その原因の一つを言葉や記号だけの図面や議事録だけでは「イメージの共有が不十分なのだ」と考えました。なぜなら、モックアップやミニチュア模型などを「見て」確認することを打合せ工程に入れると、お客様からの「こんなはずじゃなかった」が少なかったのです。

ただ、モックアップやミニチュア模型製作には時間がかかります。さらに、打合せの場で挙がった意見をすぐに反映するのは難しく、スピード感をもって対応することに課題が残りました。

図面を簡単に可視化する

そこで、わたしたちは当時、自動車製造の現場でつかわれている高精細な3D映像にヒントを得て、図面に描かれている手術室を実物大に再現することにチャレンジしました。

初期の3Dシミュレーター画像

図面にかかれた治療空間を3Dで再現することにより、今まで気づかなかったことに気づくようになりました。とくに高さや距離感などの共通認識を得るのに抜群の効果がありました。最初は一部屋だけしか作成できなかった仕様をフロア全体、ICUなども再現するために進化を遂げてきました。

私たちはこのツールができること、このツールでなりたいことなどの「想い」を込めてCARIVと名付けました。

CETNTRAL-UNI
Activity
Realtime
Intelligence( Innovation Imagination)
Visualization

CARIVの名前の由来
CARIV-OP
CARIV-ICU

見えるとわかる、見えると気付く

進化を遂げてきたCARIVの機能を簡単に紹介します。

1.紙の図面や手描きの図面でも作成できる

CARIVは図面ソフト3DCADとは一線を画すソフトです。なぜなら、印刷された紙の図面さえあれば作成可能で、3D化するのに図面を引く作業はありません。もっというと手描き、ラフスケッチの図面でも作成が可能です。

図面の上にアイテムをプロット

2.すぐに変更できる

一緒に画面を見ながら、その場で要望に合わせて変更ができます。空間の広さを変えたり、設えてある機器の場所を動かしたり、壁や床の色を変えてみたり…。
これを私たちはサイバーシミュレーションと名付けています。思いついたことをビジュアルで再現することで、言語化することが難しい微妙なニュアンスを確認したり、合意形成したりすることができます。

ビジュアルにすると気付くことが増えます

3.VRでも体感できる

実はこのCARIVはパソコンディスプレイやプロジェクターでご覧いただく以外にもVRゴーグルを用いて目の前の3D空間に入る疑似体験が可能です。
図面に描かれた現実には存在しない「みたことのない空間」を歩くことができ、広さや高さの検証を今までにない感覚で確認することができます。

VRゴーグルを用いたシミュレーション

4.どこでも確認できる

わたしたちは日本全国に7つの支社があり、いずれの支社においてもこのCARIVを準備してお客様に対応しております。お近くの支社のスタッフがお客様先まで足を運んでご案内することも可能ですし、通信環境があればオンラインでご覧いただくことも可能です。

ショールームでは、実寸大でいつでも体験可能

ショールーム「mashup studio」では、実物を見て確認するリアルシミュレーションと組み合わせて、サイバーとリアルでより理想の治療環境を検討することが可能です。
その際にはご自身がかかわる治療環境の図面をコピーでも良いのでお持ち込みいただければ「みたことのない治療環境」をご体感いただけます。

さいごに、わたしたちは「大切ないのちを守る、環境づくりのお手伝い」をミッションに、これまでさまざまな医療環境・治療環境をつくってきました。

どんな環境においても、その場所をつかう人が「気にしていること」「わからないこと」「不満におもっていること」などを少しでも「見える化」して、お互いに理解したり共感したりすることで、より良い環境づくりが可能になると考えています。

わたしたちはこれからも、お客様とともに理想の環境を考えてまいります。

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