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納得できる医療環境づくり 亀田総合病院様

わたしたちは、医療環境をつくるうえで、病院を「つかう人」である医療スタッフや患者さん、ご家族の意見を大切にしています。そんな「つかう人」の声を反映し、環境づくりを行ったのが、亀田総合病院様です。

亀田総合病院様では、手術件数の増加と手術支援ロボットの導入決定によって、手術室の増設計画が始まりました。
計画のプロジェクトリーダーで、「つかう人」ながら「つくる人に」なってくださった、周術期管理副センター長山本様のお話から、その取り組みをご紹介します。

亀田総合病院 周術期管理センター 副センター長 山本 喜美夫 様

お客様の声

本工事に臨む際の「想い」

冷静かつ客観的に「フラット」な視点で各社の提案を聞いてから決めようと考えていました。病棟を改修して手術室にするため、階高に余裕がないという課題認識を持っていました。個人的には「二流の仕事はしたくない、いいものをつくりたい、きっちり仕事をやりたい。」と考えていました。

印象に残っている提案やエピソード

【セントラルユニの提案について】
基本設計まで提案に盛り込むよう要望し、感染症対策の初期案の内容が良かったことを覚えています。結果的には、初期想定からは大幅に変わることになりました。また、パネル工法(FES)を用いた手術室が理にかなった提案であると思いました。

【印象に残っているエピソード】
定例会・分科会等で階高の課題に対して事前の合意形成が十分に行えたことが印象に残っています。
たとえば、改修が始まり既存の天井を落としたあとに想定外の事象がおきました。それぞれの事象に対してミリ単位の調整が必要でしたが、細やかな検討と幾重にもわたる対策案の提示があり、最終的には可能な限り天井を高くし、圧迫感を減らすための工夫をしてもらえました。

天井仕上げの工夫

今後を見据え、手術室を増やすときに必要最低限のモジュールは何か、扉が仮に二つになってもモノが収まるのか、50ミリ単位で異なる部屋のどれが最適か、部屋の色はどれが良いか、無影灯の位置は対称か非対称か、など多岐にわたって検討できたと思っています。
COVID-19のパンデミックが起こり、感染症対策のコンセプトが「手術室前室を陰圧に、手術室を陽圧にする」という大きな方針変更があり、それに対して1~2週間で対応してくれたことがありがたかったです。
できないことはできないとはっきり言ってくれたことも良かったです。

竣工後のご感想

各部屋の色を変えたのはトライアルでしたが良かったです。紫色が評判が良いと感じていますが、アイボリーを基調にした配色が良かった、と考えています。パネル式は保守の面でも運用しやすく、後からケーブルを通すなどの作業が容易であり、理にかなっていると感じています。現場からも使いづらいなどの声は上がっていません。

異なるカラーの手術室

感染症患者対応が劇的に速くなったことや、パスボックスを陰圧にしたのは感染エリアに入らずに物品の受け渡しができるので良かったと感じています。

陰圧化されたパスボックス

セントラルユニの想い

納めた設備を責任をもって検証

山本様のお話に、感染症対策のコンセプトが「手術室前室を陰圧に、手術室を陽圧にする」という大きな方針変更があったとありました。こちらについては変更された計画に迅速に対応する一方で、納めた後に計画した感染対策を満たす仕様になっているかを検証し、感染対策運用での留意点などを報告することで納めた後にも責任を持って対応しました。

検証したポイント
手術ホールから感染症手術室前室の空気の流れを可視化し、陽圧となっている感染症対応手術室ドアの開閉時それぞれの陰圧状態を確認

「第2類感染症対応の手術室増設工事」と題し、第51回日本医療福祉設備学会にて発表
検証時の様子

今回納めた感染症対策手術室の仕様は「病院設備設計ガイドライン」の改訂に先立つものでした。そこには品質管理部様の助言と、プロジェクトメンバーのみなさまがCOVID-19流行後の海外の陰圧手術室の考え方に学び、それを取り入れて万全の感染対策にする、という想いもあったそうです。

「つかう人」たちの想いやこだわりを汲み取ること、それが「つくる人」になるという、私たちにとって学びの多い、忘れられない医療環境づくりとなりました。

亀田総合病院の皆様、誠にありがとうございました。


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